S A N A E S U G I M O T O
簡単な額装
額装の方法を紹介します。今はオンラインの額縁専門店で、安価で感じの良い額縁を購入できます。マットについても、シュミレーションを利用して、外寸、内寸入力で注文できます。ポストカード、フライヤー、子どもの描いた絵、大切な写真、古い植物画…などが気軽に額装できます。街の額縁専門店は敷居が高い、かといってセレクトショップや雑貨屋の額縁は選択肢が少ない…という方々の参考になれば嬉しいです。
◆額縁について
油絵用の額、ポスター額、色紙額…など様々な額縁がありますが、一般的に多くは「デッサン額」で対応できます。額装したいものが厚み5mm以下であれば「デッサン額」で大丈夫です。
◆額縁のサイズ(ミリ表記です)
額縁には既製サイズと、特注サイズがあります。既製サイズには、インチ(203×254)、八つ切り(242×303)、太子(288×303)〜などがあり、正方形の既製サイズ、10角(100×100)、20角(200×200)30角(300×300)〜などもあります。特注サイズとは、希望サイズのオリジナル額を製作してもらうことです。既製サイズより高額になります。
◆マットについて
額縁表面(ガラス/アクリル)と額装したいものの間に入れる厚紙の枠(四角い窓)のことです。豊富な色や厚み、質感を選択できて、窓を複数作ることができますし、窓位置を自由に設定できます。マットのカットは専門的な技術が必要とされるので、基本的にはオーダーとなります。例えば、絵のサイズに合わせて額縁を特注しなくても、マットの外寸を調整することで、既製サイズの額縁でどのようなサイズの絵でも(額縁の外寸以下のサイズの絵であれば)対応できます。
↑マルニ額縁店さんのマットシュミレーターのページをスクリーンショットで撮らせていただきました。
https://www.art-maruni.com/simulator2/mat/single/matsimulator_s.php
このように必要項目を入力、選択すればOKです。こちらではマットのカットイメージのみシュミレーションできますが、額装したいものの画像をアップロード+配置して、実際に額装をしたようなシュミレーションができるサイトもあります。マットの枠幅が狭いほど親しみやすい雰囲気に、枠幅が広いとやや高尚な雰囲気になるように感じます。
◆額縁枠について
日本の一般的な住環境には、シンプルで枠幅の細い額縁が似合うように思います。14mm以下の額縁枠がおすすめです。※飾りたいもののサイズが壁一面を占めるような大きさの場合は、適切な太さがあったほうが良いです。
◆額縁表面について
以前はガラスかアクリルを選べたのですが、だんだんアクリル一択が多くなってきました。今のアクリル板は質が良く、傷が残ったり経年劣化することはないようです。またガラスに比べて軽量で、破損しにくいことが利点です。
◆額縁専門店
個人的によく利用するオンラインショップです。※勝手に紹介させていただいてます。
マルニ額縁画材店 https://www.art-maruni.com/index.php
額縁のタカハシ https://www.gakubuti.net/
額のまつえだ https://www.matueda.com/
◆実際に額装します。
オンラインでデュフィの模写(作者不明)を購入しました。多分昔の画学生の練習だと思われます。デュフィと言われても「…そうかな?」という仕上がりですが気にいりました。3.000円ちょっとでした。油絵ですが厚紙に描いてあります。絵のサイズは縦16cm 横22cmです。額縁はデッサン額/八つ切りサイズ(縁幅13mm)を選び、マット窓は縦15cm横21cmで注文しました。マットの窓サイズは、隙間なく固定するために、絵よりも縦横10〜15mmほど小さいサイズに設定してください。 額縁+マット+送料で4.000円以下となりました。
絵とマットを重ねてバランスをとります。裏面にしてメンディングテープなどで絵をマットに固定します。上辺中央→下辺中央→側面中央→反対側面中央…最後に四つ角…というように、辺の中央から固定していってください。絵の厚みが薄い場合、ヨレがでたりすることをふせぐためです。表面のアクリル板と絵の間にほこりなどが入らないように気をつけながら額に入れます。
額縁を壁面に飾る際の、裏面の紐の結び方です。紐を均等な長さで二つ折りにして、折り目を頭にして外側に向かって金具に通します。通した折り目に残した紐を通し、締めます。そのままもう片方の金具の外側に向かって通して折り返し、強く引っ張りながら結びます(結び方はお好みで)。できるだけ紐を強く張ることで、壁に掛けた際に壁面か額縁が浮いてしまうことを防ぎます。平行のバランスもとりやすいです。額縁裏面の紐の張り方は様々あるのですが、わたしは簡単なこの方法を採用しています。銀座月光荘画材店で教えていただいた方法です。
できあがり。
右の画像の左側の額がマット窓2つです。この木版画もデュフィが挿絵を制作した「動物詩集」(アポリネール著)の切り抜きです(譲っていただきました)。簡単な額装を知ることで、額縁のある生活をより身近に感じていただけたら嬉しいです。
こちらでご紹介する方法は、個人的な見解が含まれています。対象はごく一般的なサイズ感、額装品に限りますのでご了承ください。